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5月4日 国際列車
●哈爾濱 出発
中国とロシア国境を越えてはしる国際列車で、ウラジオストックへむかう。
この列車がはしる路線は、かつて東清鉄道、ウスリー鉄道と呼ばれたシベリア鉄道創始期のメインルート。
距離にして約800km。そう長い距離ではないが車中2泊の旅となる。
国際列車を利用するということで、哈爾濱駅には発車時刻の1時間前に着いていた。
駅員に「ウラジオストック行きの列車乗り場はどこだ?」と切符をみせると、あっちの専用エリアで待つように言われた。
が、そこは、専用のエリアといっても、席もなにもないホールの一角であった。
本当にここなのか?と首をかしげるようなところではあるが、ロシア人と思われる白人が数人いたので、たぶんここでいいのだろう。
案内されるまでにまだ時間がありそうなので、近くの売店で、2泊分の食事となるパン、カップ麺、水、おかし、ジュースなどを調達した。
そして、しばらく待っていると、係員がきて待合室へ入場となった。
その待合室手前で、荷物重量検査を行う。
そういえば周りのロシア人たちは、自分の体ぐらいのものすごくでかい荷物をもっていた。
おまえら、その中に何がはいっているんだ?
どうみても普通の旅行者に荷物ではない。
買い出しにきたのか?それとも運び屋か? たぶんそのどちらかなんだろう。
だからこんな検査があるのだろう。 そうでもしないと列車中荷物だらけになっちゃうからな。
と、あれこれ考えながら順番を待った。
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ウラジオ行き寝台車両
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まぁ私はショルダーバック1つ、ロシア人の1/10もない荷物なので、難なくクリア...と思っていた....が、検印シールがはっていないということで引っかかってしまった。
事前に荷物検査が必要だったらしい。
怪しいものは持ってはいないが、それを証明しなければならない。
「2階で荷物検査を受けてこい」といわれたので、荷物を持って2階へ行ってみた。
しかし、行ってはみたが、どこで検査を受けるのか、それらしきところが見つからない。
発車時間がせまってくる。
まごまごしてはいられないから1階の荷物検査の処にもどり、駅員を捕まえワーワー言うと、その駅員は、私の中国語でない言葉を理解できなかったものの、持っていた切符と「検印」かいたメモをみて、なんとなく状況がわかったらしく、荷物重量検査したところの奥にある待合室のVIPコーナーの荷物のX線検査のところにつれていってくれた。
そしてここで、検査して終わり。
はじめからそこに案内してくれればよかったのに思ったが、まぁ無事クリアできたのでよしとする。
荷物重量検査を終えた人たちがくつろぐ待合室で、まわりを見ると、駅員をのぞくとほとんどがロシア人と思われる白人である。
これまでずっと囲まれていたうるさい中国人はいない。
すでにここは中国であって中国でないような、出国検査を受けたあとの空港みたいな、雰囲気が漂っていた。
発車10分前、ホームに停車している列車へと案内される。
車両は、2段ベッドを向かい合わせた形の4名コンパートメント個室の二等寝台車である。
ウザいロシア人と同室になったらいやだなと心配していたが、私は1人で1室利用できるらしい。
のびのびである。
さて、この列車は数両の編成からなっているが、国境を越えてロシアへいくのは私の乗っているウラジオ行きの車両と、となりのハバロフスク行きの2両だけであり、残りの車両は中国国境の綏芬河までしか行かない。
そして、綏芬河でこの2両が切り離され、ロシア側国境駅のグロデコボ行きの列車に連結され、そしてグロデコボでまた切り離され、台車交換を行い、ウスリースク行きの列車に連結され、ウスリースクでまたまた切り離され、ハバロフスク行き車両、ウラジオ行き車両はそれぞれの目的地に向かうロシア列車に連結され、それぞれの目的地に向かうことになる。
ま、簡単にいうと下のような感じである。
●哈爾濱 〜 綏芬河 間
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┃綏芬河行き(数両) ┃┃ハバ行き ┃┃ウラジオ行き┃
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←綏芬河(進行方向) 哈爾濱→
●綏芬河 〜 グロデコボ 間
┏━━━━━━━━━━━┓┏━━━━━┓┏━━━━━━┓
┃グロデコボ行き(数両) ┃┃ハバ行き ┃┃ウラジオ行き┃
┗━━━━━━━━━━━┛┗━━━━━┛┗━━━━━━┛
←グロデコボ(進行方向) 綏芬河→
●グロデコボ 〜 ウスリースク 間
┏━━━━━━━━━━━┓┏━━━━━┓┏━━━━━━┓
┃ウスリースク行き(数両)┃┃ハバ行き ┃┃ウラジオ行き┃
┗━━━━━━━━━━━┛┗━━━━━┛┗━━━━━━┛
←ウスリースク(進行方向) グロデコボ→
●ウスリースク 〜 ウラジオストック 間
┏━━━━━━━━━━━┓┏━━━━━━┓
┃ウスリースク連結(数両)┃┃ウラジオ行き┃
┗━━━━━━━━━━━┛┗━━━━━━┛
←ウラジオストック(進行方向)
しかし、なんともややこしく、面倒くさく効率悪いことをやっているように思うが、中国、ロシアそれぞれいろんな事情があるのだろう。
列車は定刻 21:32哈爾濱駅を出発した。
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